この記事でわかること

  • クリニックでの実際にあった退職理由
  • 離職率を低減させる方法
  • 離職率の改善は手間がかかるが、将来的に効果が出る

離職率の改善がうまくいく4つの方法

「従業員は、ずっと勤め続けて欲しい」

ほとんどの方々は、そうした思いで求人募集や採用活動を行われることでしょう。

しかし実際は、「せっかく育成した従業員が退職した」など残念な結果を迎えてしまった経験は一度や二度ではないかと思います。

従業員は、なぜ退職するのでしょうか?

過去に多くの従業員の方々と退職面談を実施した際にいただいた「退職理由」をヒントに、「いかに離職率を低減するか」を考えました。

実際にあった従業員の主な退職理由

医療事故が心配

適正な医療の提供や感染管理対策が徹底されていないことによる、「医療事故」や「院内感染」のリスクに対して不安を感じ、退職に繋がることがあります。特に急性期などの総合病院から転職されてきた従業員に顕著にみられます。昨今では、患者への医療リスクだけでなく、訴訟への発展も珍しくないため、退職理由として増加傾向にあります。

業務過多

必要最低限の体制で運営しているため、従業員一人ひとりの業務量は必然的に多くなるのですが、あまりに負荷がかかりすぎると、退職リスクが高まります。一人が退職したことで、残る従業員にさらに負担がかかり、堤防の決壊による河川の氾濫の如く、退職者が続出するというケースもありました。

休暇の取得が困難

職場の雰囲気が悪く、休暇が取得しにくい場合や「休んでしまうと他の従業員に迷惑がかかる」という思いから、休暇を取りづらくなってしまうことがあります。その結果、休日も仕事が気になり心身ともに休めず疲労が蓄積し、体調不良やメンタルダウンによって退職に繋がるケースがあります。

待遇面に不満

近隣に新しい医院が開院したり、クリニックが乱立しているエリアなどでは特に多いケースです。従業員は経営者以上に他院を意識していますので、近隣の待遇事情や就業条件に対しての情報感度が非常に高いことをご認識ください。

離職率を低減させる方法

それでは、実際に上記退職理由を鑑みて、離職率を低減させた事例をご紹介いたします。

医療提供時のリスクを軽減させる

院内の医療提供における手順書の作成やマニュアルの見直し、医療事故防止委員会、感染管理委員会など院内でのリスクを低減するための機会を作ります。例えば、月に一度、休診日を活用し、経営者と従業員合同で知識習得や認識合わせの時間を設けることで安全意識が向上し、離職率が大幅に低減しました。

業務内容を整理し、必要ない業務を削減

経営戦略を見直し、最適な人員配置を検討・実行することが理想的ですが、まずは業務内容の整理をオススメします。あるクリニックでは、まず業務設計を改善したことで従業員一人当たりの業務量が2割減となり、残業時間を8割削減できました。しかも、ただ残業時間を削減するだけでなく、時給単価を上げることで生産性高く仕事をする従業員を評価し、モチベーションを高める施策も実行。その結果、毎月のようにあった退職が、この1年間で誰一人辞めていません。

休暇を取得しやすい雰囲気

経営者の「休暇に対する考え方」を改めて見直すことも大切です。従業員が休暇を取得することで「現場に負担がかかる」というネガティブな思考ではなく、適切に休暇を取得することで従業員個々のパフォーマンスが高まると考えてください。実際、就業時間と休息時間の程よいバランスは「離職率を大きく低減させ、顧客満足度が高まり、売上を向上させる」というデータも実証されています。いかに休暇取得しやすい職場環境を作るかが、離職率の低減だけでなく自院の業績にも関わってきます。

待遇だけで判断されない、居心地の良い職場づくり

もちろん、待遇面をより良くしていくことも一つの方法ではありますが、「待遇だけで職場を判断されない価値」を生み出すことも考える必要があります。休暇を取得しやすい、勤務時間に融通が利きやすい、知識やスキルを獲得しやすい、従業員のことを大切にしてくれるなど、居心地の良い職場作りも効果的です。

まとめ

万が一、医療事故や過誤が起きた際、従業員個人の責任を問われてしまったり、昨今の情勢から世間が敏感に反応した結果、閉院に追い込まれるケースも少なくありません。従業員の職場選びの重要なファクターとして、医療安全が守られているかどうかは、外せないものとなっています。

また、就業時間過多及び休暇取得がしにくい問題に関しては、少ない人員体制での経営により、従業員一人への労働負荷が増加してしまうため、特段珍しい話ではありません。とはいえ、「従業員一人ひとりの身体的・精神的ストレス」を軽減させることも同時に実行しなければ現場は疲弊してしまうため、対策が必要です。

待遇面については、給与だけではない、「ここで働く価値」があるかが重要です。上述していますが、従業員にとって居心地が良いか、安心安全に働けるか、やりがいを感じられるかなど、お金でははかれないものが存在する職場は、必然的に離職率が低下していきます。

実例を元にした改善案はいずれも手間がかかることですが、将来的に確実に効果が出ます。

人事課題でお悩みの方は、クラシコメディカルまでご相談いただけますと幸いです。